フォーマット後の復元と復旧
戻すことにも順番があります。そしてバックアップを取らずにフォーマットしてしまったなら、いま最も大切なのは、そのディスクに何も書き込まないことです。
最終更新
目次
- 1 何から戻すか
- 2 つまずきやすいところ
- 3 バックアップなしでフォーマットしたなら
- 4 よくある質問
何から戻すか
フォーマット直後はやることが一度に押し寄せます。順番を誤ると二度手間になる箇所がいくつかあります。下の順で進めれば、後になるほど残りが減っていきます。
まずインターネットにつなぐ
LAN ドライバーが当たらなければ何も始まりません。事前に USB へ入れておいたドライバーがあればそれを入れ、なければスマートフォンを USB でつないでテザリングし、その状態でメーカーのサイトから正規のドライバーを取得します。
Microsoft アカウントでサインインする
ライセンス認証、一部の Windows 設定、OneDrive がこのサインインに付いてきます。以前アカウントに紐づけていた PC なら、認証はここで自然に通ることが多いです。
ブラウザーを入れて同期を有効にする
ブックマーク・保存したパスワード・拡張機能がまとめて戻ります。先に済ませておくと、この後にサインインするサイトがぐっと楽になります。ファイルを移す前に終えておくのが得策です。
二段階認証の手段を手元に置く
フォーマットした PC は、どのサービスから見ても初めての端末です。サインインのたびに追加の確認を求められます。スマートフォンの認証アプリや紙に控えたバックアップコードを先に用意しておけば、途中で止まりません。
ファイルを戻す
外付けディスクからコピーするか、クラウドからダウンロードします。クラウドは全体が降りてくるまで時間がかかるので、先に走らせて別のことをしてください。
ソフトは最後
ファイルより先にソフトを入れる理由はありません。ゲームのセーブやソフトの設定のように「インストールしたあとで上書きする」ものがあるため、順番を守れば戻す作業が一度で済みます。
つまずきやすいところ
バックアップを取ってあっても、そのまま元の場所に収まらないものがあります。実際に引っかかる箇所だけを挙げます。
- ブックマークと保存したパスワード
- 同期を有効にしてあればサインイン一回で終わります。していなくても、以前のプロファイルフォルダーを控えてあるなら、ブックマークのファイル(Bookmarks)を新しいプロファイルへ上書きする手が残っています。ブラウザーを完全に終了した状態で行ってください。ただし保存したパスワードはこの方法では戻りません — PC ごとに異なる鍵で守られているため、ファイルを移しても開きません。
- クライアント証明書
- USB やスマートフォンへ書き出してあれば、証明書の管理ツールからインポートして戻します。書き出していなければ再発行になり、金融機関によっては窓口へ出向く必要があります。
- PC 版チャットの履歴
- PC でやり取りした履歴は、多くの場合サーバーではなくその PC にだけ残ります。フォーマット前に書き出していなければ戻す方法はありません。スマートフォン側の履歴は影響を受けません。
- メール
- 今どきの方式(IMAP)で受けていれば、アカウントをつなぎ直すだけでサーバーから降りてきます。古い方式(POP3)で受けたものやローカルフォルダーへ移したものはサーバーに無いので、控えたプロファイルフォルダーを戻す必要があります。
- フォント
- 控えておいたフォントファイルを選んで右クリック → インストール。フォントを戻す前に文書を開くと、別の書体に置き換えられて改行や配置が崩れて見えます。文書が壊れたのではなく、フォントが無いだけです。
- ゲームのセーブ
- クラウドセーブに対応していればサインインだけで戻ります。そうでなければ控えたセーブフォルダーを戻しますが、必ずゲームを入れたあとに上書きしてください。順番を逆にすると、インストールが戻したものを消します。
- Office のテンプレート・マクロ・署名
- 文書とは別のフォルダーに保存されます。文書だけを控えていた場合、これらは残っていません。プロファイルフォルダーごと控えてあるなら、そのフォルダーを戻せば済みます。
- Windows のライセンス認証
- 設定 → システム → ライセンス認証 → トラブルシューティングで「このデバイスのハードウェアを最近変更しました」を選び、アカウントでサインインすればたいてい解決します。メーカー製のデスクトップやノートはキーが本体に書き込まれているため、ネットにつながれば自動で通ります。
バックアップなしでフォーマットしたなら
いま、そのディスクに何も書き込まないでください
フォーマットはデータを消すというより「ここは空き」と印を付ける作業に近いものです。その場所に新しいファイルが上書きされるまでは、取り戻せる余地が残っています。ですから急ぐべきは復旧ソフトを探すことではなく、そのディスクにこれ以上書き込まないことです。復旧ソフト自体もそのディスクへ入れてはいけません — 取り戻したい場所を、インストールが上書きしてしまいます。
ただし取り戻せるかどうかは、ディスクの種類とフォーマットの方式で分かれます。正直に書けば、いまどきの PC では無理な場合のほうが多いです。始める前に、自分がどちらなのかを確かめてください。
- SSD — たいてい難しい
- TRIM という機能が有効なら(既定で有効です)、削除済みと印が付いた場所をコントローラーが自ら消していきます。数分で終わります。フォーマットから一日置いて復旧ソフトを走らせると、ファイル名だけ出て中身が空、ということになるのはこのためです。
- HDD — 可能性はある
- 上書きされるまで中身はそのまま残ります。フォーマット後に新しく書き込んだ量が少ないほど有利です。
- クイックフォーマットか、通常のフォーマットか
- インストール時の既定であるクイックフォーマットなら、印を消しただけなので余地が残ります。チェックを外して通常のフォーマットを行った場合はディスク全体をゼロで上書きしているため、戻せません。
- すでに Windows を入れてしまったなら
- インストールで数 GB を新たに書き込んでいます。その分だけ上書きされたということです。C ドライブにあったデータほど望みは薄く、手を付けていない D ドライブならずっと有利です。
復旧ソフトを走らせる前に、まずこちらを
失ったと思っていたものが、実は別の場所に残っていることが少なくありません。OneDrive や Google ドライブのごみ箱(多くは 30 日保管)、自分宛てに送ったメールの添付、自分専用のチャットに置いたファイル、スマートフォンの写真の自動バックアップ。こちらを先に当たるだけで済んでしまうことが実際にあります。
その PC を使うのをやめる
ブラウザーを開くだけでもキャッシュが溜まり、溜まった分だけ上書きされます。可能なら電源を落とし、ディスクを取り出して別の PC につないで作業してください。難しければ、少なくともネット閲覧とソフトのインストールを止めます。
復旧ソフトは別のディスクに置く
取り戻したいデータのあるディスクへ入れると、そのソフトがデータを上書きします。USB メモリーから実行するか、ディスクをつないだ別の PC で走らせてください。
取り出したファイルも別のディスクへ
見つかったファイルを同じディスクへ保存すると、まだ読めていない場所を上書きします。保存先は必ず別のディスクを指定してください。
まず無料のツールで確かめる
Recuva は画面が簡素で、PhotoRec はファイル名こそ戻せませんが探す範囲が広いです。有料ソフトもたいてい「探す」までは無料で見せてくれるので、支払う前に一覧へ自分のファイルが実際に出るか確かめてください。名前だけ出てサイズが 0 なら、すでに上書きされており、支払っても出てきません。
どうしても必要なデータなら、触る前に相談を
自分で試すこと自体が状況を悪くすることがあります。失えないデータなら、走らせる前に復旧業者へ問い合わせるほうが確実です。物理的に壊れたディスクはソフトでは戻りません。
よくある質問
フォーマットしましたが復旧できますか
ディスクによります。HDD でクイックフォーマット、そのあと書き込んだ量が少ないなら可能性があります。SSD なら TRIM がすでに場所を空けている公算が大きく、たいてい難しいです。いずれにせよ、いまからそのディスクに書き込まないことが最も大切です。
復旧ソフトを C ドライブに入れてもよいですか
取り戻したいデータが C にあるなら、いけません。インストールがその場所を上書きしかねません。USB メモリーから実行するか、ディスクを別の PC につないで作業してください。
D ドライブのデータも消えましたか
C だけをフォーマットしたなら、そのまま残っています。ただしインストール時にパーティションを削除して切り直した場合は、D も一緒に初期化されます。
ブックマークだけをバックアップから戻せますか
戻せます。以前のプロファイルフォルダーにある Bookmarks ファイルを、新しいプロファイルフォルダーへ上書きしてください。ブラウザーを完全に終了した状態で行います。保存したパスワードは同じ方法では戻りません — PC ごとに異なる鍵で守られています。
PC 版チャットの履歴は復旧できますか
フォーマット前に書き出していなければ戻せません。PC の履歴はサーバーに保管されていないためです。スマートフォン側の履歴は影響を受けません。
ライセンス認証が外れたと表示されます
設定 → システム → ライセンス認証 → トラブルシューティングで「このデバイスのハードウェアを最近変更しました」を選び、Microsoft アカウントでサインインすればたいてい解決します。アカウントに紐づけたことがない場合はプロダクトキーが必要です。
復旧ソフトがファイルを見つけましたが開けません
名前は一覧に残っていても、中身がすでに上書きされている場合です。別のソフトで試しても結果は同じになります。サイズが 0 と表示されるファイルも同様です。
戻し終えたら
使っていたプログラムを選んでおけばインストールファイルを作ります。1つずつサイトを探し回る必要はありません。
プログラムを選ぶ